浪速風

選抜無観客、他競技の生徒にも夢がある

イソップ物語に出てくるコウモリは、いがみ合っていた獣一族と鳥一族の二股をかける。あるときは「全身に毛が生えているから獣の仲間」と言い、別のときには「羽があるから鳥の仲間」と訴えた。やがて和解した両方から嫌われ、洞窟の中に身を潜めるようになった

▶日本高野連が選抜高校野球大会を無観客での開催か中止とすることを決めた。新型コロナウイルス感染拡大の状況を考えれば、通常開催を断念するのは当然だ。ただ、他競技の全国大会は相次いで中止となっている

▶あるときは人気や歴史を掲げ、高体連の他競技と一線を画す。別のときには高校野球は教育の一環と主張し、プロ野球界を寄せ付けない。「球児の夢の実現のため」と言われれば、反論はしにくい。だが、他競技の生徒にも夢はあったはず。たとえ無観客でも開催した場合には、野球だけ特別扱いなのか-との批判は免れない。日本高野連には、コウモリにならない判断が問われる。