新型コロナウイルスの感染拡大を警戒したとみられる人出の減少が、全国の主な繁華街に広がっていることが5日、分かった。位置情報サービスベンチャーのクロスロケーションズ(東京)がスマートフォンの衛星利用測位システム(GPS)から測定した位置情報を基に、2月初めの人出を前年同期と比較した。札幌・ススキノ、東京・歌舞伎町、福岡・中洲といった全国の主要繁華街で、24~28%の減少がみられた。政府のイベント自粛などの要請が出された2月下旬以降はさらに減少幅が拡大している可能性もある。
クロスロケーションズは外部事業者から位置情報を購入して分析した。位置情報は、外部事業者がさまざまなスマートフォンアプリの利用時に許可を得た上で取得しているという。
同社が昨年と今年の2月1~7日で比較したところ、東京・歌舞伎町は約273万人から約202万人と26%減少。札幌・ススキノも約82万人から約62万人と24%減少するなど、宴会の自粛などによる人出の減少は全国に及んでいる。
ただ、大阪・梅田や京都・祇園などでは減少幅が10%台にとどまっており、札幌・ススキノでは、暖冬による観光客減の影響も出た可能性が高い。
2月中旬以降、航空各社の中韓路線の減便拡大や、小中学校の一斉休校やイベント自粛などの政府の要請が相次いだことから、全国の繁華街や観光地の人出の減少は、今後も拡大するとみられる。