平成29年7月の九州北部豪雨で被災し、福岡、大分両県の一部区間で不通が続くJR日田彦山線の復旧をめぐり、福岡県の小川洋知事は4日、JR九州が示すバス高速輸送システム(BRT)に転換する案について「被災前と比べて運行本数や乗降可能な場所と、その数など利便性がどう向上するのかなどの観点から検討する」との認識を示した。福岡県議会2月定例会の代表質問で自民党県議団の松尾統章氏に答えた。自民は、沿線自治体に鉄道復旧を求める声があることを踏まえ「BRT案ありきだ」と反発した。
小川氏は利便性向上に加え「交通ネットワークが長く継続できるのか、観光や地域の振興につながるか」も検討材料だと説明。その上で「(福岡県側沿線の)添田町、東峰村の両首長と協議し、年度内に復旧の方向性を決断していきたい」とあらためて強調した。
これに対し松尾氏は「BRT案でやると知事の頭の中で決めているようにしか聞こえない」と批判した。「地元に寄り添って、解決の方策を一緒に考える姿勢があれば、ここまで問題がこじれ、住民の反発を買うことはなかった」と小川氏を追及し、早急に地域振興策を含めた地元との協議の場をつくるよう求めた。
日田彦山線の復旧をめぐっては、JR九州社長と福岡、大分両県、沿線市町村の首長による復旧会議で、BRT案を議論し、3月末までの合意形成を目指している。ただ、東峰村は鉄道での復旧を強く求めている。