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露・ウクライナ紛争、色あせる和平ムード 大規模衝突で死者、欧米は関心低下

ウクライナ軍と親ロシア派武装勢力の間で続く紛争の前線で、塹壕に身を置く兵士。停戦後も散発的戦闘が続き、和平プロセスは一向に進んでいない=昨年11月、ウクライナ東部ルガンスク州(ロイター)
ウクライナ軍と親ロシア派武装勢力の間で続く紛争の前線で、塹壕に身を置く兵士。停戦後も散発的戦闘が続き、和平プロセスは一向に進んでいない=昨年11月、ウクライナ東部ルガンスク州(ロイター)

ウクライナ東部で続く同国軍と親ロシア派武装勢力の紛争をめぐる和平プロセスが進展していない。2月中旬、ウクライナと、親露派を支援するロシアが停戦で合意していた最前線で今年最大の衝突が発生し、死者も出た。ウクライナのゼレンスキー大統領は4月にもプーチン露大統領と会談を行いたい意向を示すが、ロシア側は否定的だ。和平に向けた両国の主張の隔たりが埋まらない中、ロシアの牽制(けんせい)役となってきた欧米の紛争への関心低下も指摘され、情勢の好転は困難な情勢だ。(モスクワ 小野田雄一)

2月18日、ウクライナ東部ルガンスク州の前線地帯で同国軍と親露派の戦闘が発生し、ウクライナ軍は自軍の兵士1人が死亡したと発表。親露派側はウクライナ兵士2人と自軍兵士4人が死亡したとした。双方は「相手が先制攻撃してきた」と非難している。

ウクライナと親露派は昨秋、前線での停戦を実施。昨年12月にドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領の仲介の下でパリで開かれたプーチン氏とゼレンスキー氏の会談では、停戦の継続や捕虜交換の実施、4カ月以内に再び4カ国枠組みでの首脳会談を開くことなどが合意された。4カ国の枠組みでの首脳会談の実施は3年ぶりで、2014年の勃発以降、双方で1万3000人以上が死亡した東部紛争をめぐって一定の和平機運が高まっていた。

しかし、その後も小競り合いは続き、ウクライナ側、親露派側は互いに「相手が合意を守っていない」と主張。捕虜交換も昨年末に双方で計200人が引き渡されて以来、行われていない。歩み寄りの機運が停滞していた中で死者の出る衝突が発生し、和平ムードは色あせた格好だ。

そもそも双方の歩み寄りには限界があるというという指摘は、パリ合意当時からなされていた。親露派が実効支配する東部地域の将来的な扱いをめぐり、ウクライナとロシア間に根本的な立場の違いがあるためだ。

独仏両国の仲介の下、プーチン氏とウクライナのポロシェンコ前大統領が結んだ15年2月の和平合意「ミンスク2」は、紛争解決に向けた手順として、(1)東部で選挙を実施する(2)選挙後、ウクライナは東部に高度な自治権など「特別な地位」を付与する(3)その後、東部とロシア間の国境管理権をウクライナに回復させる-と定めている。