浪速風

トイレットペーパーにみる市場原理

大阪府北部のスーパーで朝から入り口に人だかりができ、駐車場に入りきれない車が列を成していた。店から出てきた人の多くがトイレットペーパーを抱えている。宮城県の知人によると、お年寄りが「都会に住む娘のために」と周囲に聞こえるように言い訳しながら買い込んでいたとか。何だかやりきれない

▶とはいえ、日常生活でトイレに入って紙がないと気づいたときほど、切羽詰まることはない。備えが不可欠で戦略も重要だ。大阪市内のホームセンターに並ぶ人たちは、スマートフォンで入荷情報をやり取りしていた。市場経済における競争でものを言うのは情報である 

▶ただし誤った情報分析に基づく行動が積み重なると、市場は非効率になり社会全体に迷惑が及ぶ。騒動の発端となった、トイレットペーパーが生産できなくなるという情報は、メーカーによるとデマ。そのうち市場で正常化に向かう力学が働くはずで、あとには嘆息だけが残りそうだ。