和牛の精液、果物の種など海外流出防げ 法案閣議決定、刑罰も

大丸福岡天神店に並ぶ「あまおう」
大丸福岡天神店に並ぶ「あまおう」

 政府は3日、和牛の精液や受精卵など「遺伝資源」の海外流出を防ぐための関連法案と、イチゴ「あまおう」など日本で開発された果物や野菜の種苗の不正な持ち出しを禁じる種苗法改正案を閣議決定した。違反した場合は刑事罰を科せるようにする。今国会に提出し、それぞれ令和2年秋、3年4月の施行を目指す。

 平成30年に受精卵や精液が不正に中国に持ち出される事件が発覚し、農林水産省が規制強化を議論してきた。

 受精卵や精液などを不正に取得したり、輸出しようとしたりする業者らに対し、畜産試験場を持つ都道府県などが使用や販売の差し止めを請求できる権利を新法案で設定する。遺伝資源を知的財産と見なして保護する。悪質なケースでは10年以下の懲役または1千万円以下の罰金(法人は3億円)を科す。種苗法改正案は、開発者の意図に反し、農家が指定地域以外で栽培したり、無断で海外に持ち出したりした場合、生産・販売の差し止めや、罰金の対象となる。

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