1日の東京マラソンでビルハヌ・レゲセ(エチオピア)が2時間4分15秒をマークして2連覇を達成した。
両手を広げて悠々とゴールテープを切ったレゲセは「いいタイムだけど、もっと速く走れると思っていた」。17年大会でウィルソン・キプサング(ケニア)が記録した国内最高タイム(2時間3分58秒)には17秒届かず、大会初の連覇達成にも、喜びは控えめだった。
昨年9月、ベルリンで世界歴代3位となる2時間2分48秒をマークした。成長著しい25歳は、序盤からペースメーカーの背後をキープ。中盤までは2時間3分台も狙えるペースで積極的にレースを引っ張った。
しかし、30キロ以降に左腰付近に痛みを感じ、「タイムではなく勝つことに焦点を定めた」。自身を鼓舞するように懸命に腕を振り、38キロ付近で一気にスパート。同じエチオピア勢のシサイ・レマとの一騎打ちに終止符を打った。
五輪、世界選手権の出場経験はない。熾烈(しれつ)な代表争いの最中というが、今回の結果で「東京五輪に参加できると思う。決定的な試合になった」とレゲセ。4年に一度の大舞台に向けて「参加できたら、母国のために金メダルを獲得したい」と意欲を口にした。(川峯千尋)