東京五輪の男子代表選考会の一つである東京マラソンは1日、東京都庁前から東京駅前のコースで開催され、28歳の大迫傑(ナイキ)が2時間5分29秒の日本新記録で4位に入り、残り1枠の代表入りが有力となった。
今大会に臨むにあたり、大迫は昨年9月の東京五輪マラソン代表選考会「グランドチャンピオンシップ」(MGC)3位という結果を正面から受け止めた。
「2番に入っていれば五輪が内定していた。悔しくないというのは嘘であって、やっぱり悔しさがあって次に進める。いい経験になったというか、僕自身は悔しさをプラスに捉えられている」
これまでも苦杯を原動力に変えてきた。早大3年時の2012年、ロンドン五輪出場をあと一歩で逃すと、より成長できる環境を求め、米国へと渡ることを決めた。
MGCも、そうだ。東京五輪の3枠目に最も近い位置にいながら、出場切符を自ら勝ち取るために東京マラソンへの出場に踏み切った。守らず、ひるまず、挑み続ける自分であることが「非常に自信になっている」という28歳が、ひと回り成長した姿を記録でもはっきりと示し、五輪切符を大きく引き寄せた。