浪速風

新型肺炎 危機管理は先手を

「電話をかけたんですがね--徹底的な措置をとらなきゃ、なんのかんのいってるだけじゃだめだって。病疫に対してそれこそ完全な防壁を築くか、さもなきゃ全然なんにもしないのもおんなじだって、いったんです」

▶フランスの作家、カミュの「ペスト」から再び引いた。病が流行する初期の、医師の言葉。その通りである。新型コロナウイルスに対する政府の危機管理は後手後手に回っている。安倍晋三首相は全国的なイベントの自粛、小中高校などの休校を相次いで打ち出した。その直前に政府の対策本部が決めた基本方針には盛り込まれていない。

▶感染の拡大を徹底的に防ぐ手立てを講じることは重要である。しかし危機管理は常に先手を取る必要がある。後出しの唐突な対策は社会を混乱させる。対応の遅れはすでに危機を拡大させているかもしれない。政府は気を引き締め直せ。私たちも手洗いや咳(せき)エチケットの徹底など、できることを冷静に行いたい。