柔道の東京五輪日本代表について、全日本柔道連盟(全柔連)は27日、東京都内で強化委員会を開き、五輪2連覇を狙う男子73キロ級の大野将平(旭化成)や世界選手権2連覇中の阿部詩(日体大)ら新たに男女12階級の選手を選んだ。大野や男子100キロ超級の原沢久喜(百五銀行)ら5選手が2大会連続、阿部詩ら7選手は初の代表入りとなる。女子78キロ超級は素根輝(環太平洋大)がすでに初代表に決まっており、残りは男子66キロ級のみとなった。
強化委員会では、昨年12月のマスターズ、今年2月のグランドスラム(GS)パリ、同デュッセルドルフの3大会を終えた時点で、男女の指導陣が2番手との差が歴然と判断した12選手について協議。全員が、委員による投票で代表決定の条件となる3分の2以上の賛成を満たした。
東京五輪では、本番までにより長い調整期間を設けられるように、4月の最終選考会を待たずに早期に決める制度を設けた。「第1段階」として昨夏の世界選手権と昨年11月のGS大阪大会を連続優勝した女子78キロ超級の素根が代表入り。今回が「第2段階」だった。
多くの階級で1番手が派遣されたGSデュッセルドルフ大会では、大野や阿部詩らが優勝してアピール。昨夏の世界選手権2位の原沢ら欠場した3選手や序盤で敗退した選手らも、これまでの実績などで支持を集めた。
男子66キロ級は2019年世界選手権覇者の丸山城志郎(ミキハウス)と17、18年世界王者の阿部一二三(日体大)の争いが熾烈(しれつ)で、4月の全日本選抜体重別選手権後に選考する。
【新たに柔道東京五輪代表に決まった12選手】
<男子>
60キロ級/高藤直寿(パーク24)(2)
73キロ級/大野将平(旭化成)(2)
81キロ級/永瀬貴規(旭化成)(2)
90キロ級/向翔一郎(ALSOK)初
100キロ級/ウルフ・アロン(了徳寺大職)初
100キロ超級/原沢久喜(百五銀行)(2)
<女子>
48キロ級/渡名喜風南(パーク24)初
52キロ級/阿部詩(日体大)初
57キロ級/芳田司(コマツ)初
63キロ級/田代未来(コマツ)(2)
70キロ級/新井千鶴(三井住友海上)初
78キロ級/浜田尚里(自衛隊)初
※78キロ超級の素根輝(環太平洋大、初)はすでに代表決定済み。〇数字は五輪出場回数