将棋・折田アマが編入試験合格 4月からプロ…現行制度では2人目

棋士編入試験5番勝負の第4局で本田奎五段(左)に勝利した折田翔吾さん=25日、東京都渋谷区の将棋会館
棋士編入試験5番勝負の第4局で本田奎五段(左)に勝利した折田翔吾さん=25日、東京都渋谷区の将棋会館

 将棋のアマチュア強豪でユーチューバー、折田翔吾さん(30)=大阪市=の棋士編入試験五番勝負の第4局が25日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で指され、折田さんは本田奎(けい)五段(22)に161手で勝ち、通算3勝1敗で棋士編入試験に合格した。4月1日付で、順位戦以外の棋戦に参加できるフリークラスの四段になる。

 ■歓喜「2、3年前考えると信じられない」

 日本将棋連盟によると、アマチュアからプロに編入したのは4人目で、現行制度では平成26年の今泉健司四段(46)以来、2人目となる。終局後、折田さんは「2、3年前の状況からしたら本当に信じられない。応援してくれている人への期待にも応えたいという気持ちでした」と喜びを語った。

 折田さんは棋士養成機関「奨励会」で最後の難関「三段リーグ」まで昇段したが、26歳の年齢制限で退会した。その後もアマチュアとして活躍し、昨年8月に棋士編入試験の受験資格を得た。編入試験は若手棋士5人が試験官となり、昨年11月から月1回のペースで対局。第1局を先勝した折田さんは第2局で敗れたが、今年1月の第3局を制してプロ棋士に王手をかけていた。

 本局の試験官、本田五段は、現在行われている棋王戦五番勝負の挑戦者。史上初となる棋戦初参加で挑戦権を獲得した若手強豪で、五番勝負第2局では渡辺明棋王(35)=棋聖・王将=に勝利している。

 両者は三段リーグ時代に2度の対局があり、1勝1敗のタイ。この日の対局は将棋会館4階の特別対局室で午前10時、大勢の報道陣が見守る中、折田さんの先手で始まった。徐々に形成を良くした折田さんが終盤に入ってもうまく指し回し、午後6時過ぎ、長年の夢だった棋士への道をつかみ取った。

 ■お祝い続々「4局とも見事」「これからが勝負」

 折田さんの棋士編入試験合格には、関係者からお祝いの声が相次いで寄せられた。

 日本将棋連盟会長、佐藤康光九段「このたびの棋士編入試験の合格、誠におめでとうございます。4局とも見事な戦いぶりでした。ご自身の個性を生かされ、棋士として将棋界の枠を超えた活躍を期待しております」

 特例の編入試験で棋士となった瀬川晶司六段「折田さんおめでとうございます。プロ編入の先輩としてとてもうれしいです。彼の素晴らしい戦いぶりに勇気づけられた方も多かったのではないでしょうか。私も励みになりました。プロ同士としての対戦を楽しみにしています」

 現行制度初の棋士となった今泉健司四段「折田君、おめでとう。自分の力を信じて戦い、勝ったこと、本当に素晴らしいです。そして、これからが本当の勝負。将棋で勝っていくことは当然だけど、それ以上にやるべきことは、ファンの皆さまに愛される棋士になることだと思います。棋士それぞれに課された役割があります。折田君でしかできないことをしっかりやっていって、将棋界にお互いしっかり尽くしていきましょう」