就活リサーチ

「転職でキャリアアップ」が「定年まで」と同率に

 就職活動を控える3年生らに1月に行った当社就職意識調査で、就職後のキャリアプランについて尋ねました。「一つの会社にこだわらず、転職などでキャリアアップを図りたい」が44・0%となり、比較可能な平成17年卒以降最も高い数字を更新し、「一つの会社に定年まで勤めたい」(44・1%)とほぼ同率となりました=グラフ。過去のデータから振り返ると、就職環境が厳しい時期は安定志向が高まり、「一つの会社に定年まで」が増加し、就職環境が好転すると減少する傾向が見られます。ここ数年続く売り手市場の雇用環境や、転職に対するポジティブな捉え方が、今回の数字に反映されていると思われます。

 学生からは「大学在学中から起業を目指しており、勉強と貯金のために就職する。5年ほどで辞めるつもり」「就職して成長した先に、必然的に選択肢の1つとして転職が出てくる」といったキャリアアップを見据えた意見がありました。先行きが分からない将来に対して備えておきたいという学生もいるようです。「会社の業績が悪くなったとき、スキルを身につけておけば条件のよい会社に移ることができる」「どんな仕事をしていきたいか、実際に社会に出てから変わってくると思う」「大学時の専攻を生かした仕事をしたいが希望の配属先でなければ、数年で転職したい」などの声が聞かれました。

 キャリアをポジティブに考える人の入社後の転職環境も近年はそれほど悪いイメージではなくなってきています。いわゆる第2新卒採用と呼ばれる25歳ぐらいまでをターゲットにした採用マーケットのことです。企業にしてみると、社会人経験のある第2新卒者は、一定のビジネス研修などを受けており、新卒者に比べ戦力化のスピードが速い場合が多いです。また、柔軟に対応できる年齢層なので自社の仕事スタイルになじみやすいなどの理由が挙げられ、人手不足が続く最近の労働市場では、特に注目され始めています。

 かつては、入社して数年で会社を辞めることは辛抱が足りていないなど悪いイメージで捉えられる部分が多くありました。一方で、やりたいことを追求したり、将来のライフプランを含めたキャリア設計を行ったりする中では、転職は1つの選択肢といえるでしょう。

 企業も時代や市場の変化に合わせて対応しています。創業時の事業から業態をチェンジしている企業は多くあります。繊維機械の製造会社から自動車メーカー、調剤薬局から化粧品などさまざまな変身を遂げています。働く側も自分のキャリアプランを考えながら、臨機応変に対応していくことが大切だといえるでしょう。

(キャリタス就活 吉田治)

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