このところ『週刊ポスト』の頑張りが目立つ。
今週号(2・28/3・6)のトップは「未知の殺人ウイルスと戦う名もなき『英雄』への讃歌」。
リードにこうある。
〈安全地帯に逃げ込み、利己的な行動に奔る人も現われた。後手後手に回る政府の対応を批判したくなるのも当然だ。しかし、である。そうしたなかでもなお、感染拡大を防ぐために、身の危険を顧みず、最前線で見えない敵と戦う人たちがいることを忘れてはならない〉
まったくそのとおり。後手、後手と政府を責めるのもジャーナリズムの役目のひとつには違いないが、こういう点にも目を配ってほしいのだ。
一例。
〈国立国際医療研究センター病院(東京・新宿)では、21人の医師が新型コロナウイルス感染症患者の治療にあたっている〉
むろん感染リスクもある。だが、
〈都立病院の場合、新型コロナの治療にあたる医師・看護師らには「防疫等業務手当」が支給されるが、その額は「一律日額340円」(東京都総務局人事部)だという〉。
『週刊新潮』(2月27日梅見月増大号)の取り上げ方も極めてまっとう。右柱で「世界から忌避される『大感染列島』ニッポン」。
上昌広氏(医療ガバナンス研究所理事長)の警告が怖い。
〈「国立感染症研究所は、08年に新型インフルエンザを想定して、首都圏の鉄道に感染者がひとり乗った場合、5日目に700人、10日目には12万人に拡大するとシミュレーションを出しています」〉
『週刊文春』(2月27日号)右柱は首相補佐官と厚生労働省大臣官房審議官の不倫話。情報の出どこが問題。左柱もやはり不倫の東出昌大独占告白。どちらも3週連続。『文春』ともあろうものが、とのみ。
『週刊朝日』(2・28)「蔓延(まんえん)するウイルス 徹底検証 コロナ デマと真実40問」は新味ナシ。 (月刊『Hanada』編集長)