ソウルからヨボセヨ

食に罪はないものを

 21日、新型コロナウイルスの感染状況についてソウルの韓国大統領府で報告を受ける文在寅大統領(同府提供・共同)
 21日、新型コロナウイルスの感染状況についてソウルの韓国大統領府で報告を受ける文在寅大統領(同府提供・共同)

 韓国の新型コロナウイルスは今週になって国内感染が急増し、あらためて恐怖と警戒が広がっている。そんな中で新たなチャイナリスクが持ち上がり対策に苦慮している。韓国の新学期が3月のため、帰国していた中国人留学生約7万人の再入国が間近に迫っているからだ。

 そこで韓国政府は緊急対策として各大学に、入国後2週間の「自律隔離」をさせるよう指示した。「自律」とは強制的ではない「自主的」のような意味だが、これでは具体的に誰がどこにどう隔離するのかさっぱり分からない。全国の大学すべての寄宿舎を充てるわけにはいかないし、それで足りるわけでもない。留学生に対する一定期間の休学という実質的な入国禁止案もささやかれているが、これも差別的イメージが強いためやりにくい。

 結果的にあれやこれやで韓国社会の中国拒否ムード拡大につながっているのだが、その影響で街の中華料理店も客が激減している。全体的に人びとの外出が減り食堂への客足が遠のいているせいもあるが、中華料理まで食わなくなるとは。

 食談議としていえば、韓国ではもともと中華料理の社会的評価が高くない。そこで社会的に中国拒否ムードが広がると食にも差別的反応(?)が出るということだろうか。食に罪はないものを。(黒田勝弘)

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