「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」や「ONE・PIECE(ワンピース)」のキャラクターたちが買い物?! 福島市の福島駅に近い商業複合施設「MAXふくしま」で今月29日、営業時間中に全館を開放したコスプレイベントが初めて開かれる。高齢化が進み若者の足が遠のく施設に活気を呼び戻そうと企画された。店舗内や立体駐車場、機械室などで撮影ができる全国でも珍しい試みとして注目を集めそうだ。
●営業中の館内に
イベントは、「AOZ(アオウゼ)&MAXふくしま全館まるっと街コス祭り」と名づけられ、同施設を管理する福島まちづくりセンターとふくしま街コス実行委員会が主催。センターの箭内(やない)裕二郎事業部長は「若い人が少なくなった商業施設に、新たなにぎわいを創出したい」と狙いを話す。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、消毒用アルコールとマスク600枚を用意。開催に向け最後の準備を進めている。
当日は午前11時から午後6時まで、コスプレーヤーが館内に現れる。撮影できるのは営業している店舗の一部などだが、スポーツ店や飲食店、映画館のロビー、室内遊園地などのほか、ビルの屋上や立体駐車場、機械室でも撮ることができる。同施設に近い福島交通・曽根田駅にある、廃線になった引き込み線やホームも撮影会場になる。
●前日から街を掃除
コスプレは、アニメや漫画、ゲームなどに登場する人物やキャラクターに扮装(ふんそう)するのを楽しむ。コスプレーヤーは自作の衣装や凝ったメークなどで「本物」に迫り、その姿を仲間のカメラマンが本格的に撮影したりもする。写真の背景も重要で、街の中や施設を会場にしたイベントが各地で開かれている。
福島市でコスプレイベントが始まったのは5年ほど前。「ふくしま街コス」として年数回開かれ、恒例イベントとして定着している。参加者の約80%が10代~20代の若い世代。約30%は県外から訪れている。関東や東北中心だが、愛知県から足を運ぶファンもいるという。