国際情勢分析

「海の安全」どう守る 日本が問われる自助努力の覚悟

この中東のイランに近い海域が、安倍晋三政権が掲げる「自由で開かれたインド太平洋」には含まれる。米国の優先度が下がった海の安全を守るため、日本のプレゼンス(力の存在)を一段階引き上げる必要に迫られた末に出した答えが、護衛艦「たかなみ」とP3C哨戒機部隊の派遣といえる。

日米安保条約改定の調印から60年を迎えた1月、米国のポンぺオ国務長官とエスパー国防長官は日本の茂木敏充外相、河野太郎防衛相と連名で「民主主義、人権の尊重、そしてルールに基づく国際秩序といった価値に根ざした日米同盟は、自由で開かれたインド太平洋というビジョンを実現しつつある」とする共同発表文書を出した。米国の重要な利益と関心がインド太平洋に存在するという米政府高官の認識を示すとともに、中東海域への部隊増派を決めた日本の自助努力を彼らが評価していることの表れだ。

しかも、日本の自助努力を求める米国の声は今後、強まることはあっても弱まることはないのではないか。

それは第一にトランプ氏が「日本の貢献が今後も拡大」するよう期待しているからだが、より広く米国民の原体験に根づく発想だからでもある。

「曾祖父は独力で農地を切り拓いた。その勤勉さを尊敬しているし、受け継いでいく」。大統領選の指名候補を決める党員集会が全米で最も早く開かれたアイオワ州で2月、トウモロコシと大豆を生産する農家のビアードさん(44)は誇らしげに話していた。

自助努力を評価する米国の伝統的な精神は、政権が交代しても変わらない。自由で開かれたインド太平洋を米国とともに実現しようと望むなら、日本は新たな役割を果たし続ける覚悟を持たずにはいられない。

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