相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で平成28年7月、入所者ら45人が殺傷された事件で、殺人罪などに問われた元職員、植松聖(さとし)被告(30)の裁判員裁判論告求刑公判が17日、横浜地裁(青沼潔裁判長)であり、検察側は「卑劣で残忍、冷酷無比と言わざるを得ない」として、死刑を求刑した。被告に完全責任能力があるとした上で、被害者の多さも指摘。19日に植松被告の最終意見陳述などが行われて結審し、判決は3月16日に言い渡される見通し。
公判では、事件当時の刑事責任能力の有無や程度が最大の争点となっている。
弁護側はこれまでに、植松被告が大麻を常用していたことから「大麻精神病により、心神喪失か心神耗弱だった」と無罪を主張している。
一方、検察側はこの日、犯行前に植松被告が取った行動などを挙げながら「被告人の行動は統制されており、犯行の発想から実行までの大麻使用の影響は小さかった」とし、植松被告が自身の行為を違法であると認識していたことなどを指摘。そのうえで「被告人は犯行時、完全責任能力を有していた」と結論付けた。