東京五輪・パラ 輝け!ちばのアスリート

空手組手女子 植草歩(27) 「とことん極めたい」

空手のプレミアリーグ東京大会で鋭い攻撃を見せる植草(左)=令和元年9月7日、東京都千代田区の日本武道館(納冨康撮影)
空手のプレミアリーグ東京大会で鋭い攻撃を見せる植草(左)=令和元年9月7日、東京都千代田区の日本武道館(納冨康撮影)

 「現在、一番のフォーカスは東京五輪。そこで最高の結果を見せれるように、今いろいろ変えている」と淡々と話す。

 空手組手女子の選手として、国内外の大会で実績を残してきた第一人者。東京五輪の組手女子61キロ超級でのメダルも期待されており、調整に余念がない。

 昨年9月に東京五輪と同じ会場となる日本武道館で行われた国際大会、空手のプレミアリーグ東京大会で、組手女子68キロ超級で優勝を果たすなど実力を発揮してきた。ただ、同年11月にスペインで行われたプレミアリーグマドリード大会ではまさかの初戦負けを喫するなど「昨年は競技を始めて最も良くない1年だった。現状維持ではダメだと思った」と強調。昨年末からは指導を受けるコーチを変え、得意の中段突きに磨きをかけつつ、その前後に失点する傾向があった点の改善などに取り組む。

 「過去に日本一や世界一になったときは空手を楽しめば強くなれると思っていた。でも五輪で優勝するにはそれだけでは足りないと感じた。今はとことん空手を極めたいと思う」と意気込みをみせる。

 空手を始めたのは小学3年の時。幼なじみの友人に誘われ、近所の中学校の道場で打ち込んだミットの感触や音に魅力を感じたのがきっかけだった。

 空手は大きく分けて「形」と「組手」の2つがある。その中で、組手を選んだのは「突き、蹴りと多彩な技に加え、対戦相手がいるので、毎日違う練習になる。常に駆け引きを考えて戦い、それがはまったときにはすごい達成感がある」と明かす。

 選手として大会や練習で多忙な中でも、空手界の未来を見据え、空手の魅力を伝えるため、SNSを使った情報発信やさまざまなイベントにも積極的に参加する。実力とともに屈託のない明るさで人気も高い。

 練習や試合がない完全なオフの時には髪を下ろしておしゃれをして出かけて、気分転換する。「女性としてのオフの時間があることで、オンの競技者の時間にスイッチを入れて戻れる」と笑顔をみせる。

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