東京都港区のJR田町駅東口北地区では、同区の「田町駅東口北地区まちづくりビジョン」(平成19年策定)に基づき、低炭素で防災に強いまちづくりを官民が連携して行っています。
公共街区のI街区には病院や公園が整備され、本コラムでもI街区の第一スマートエネルギーセンター(第1プラント)について書きました。30年にはII街区のオフィス・商業ビルが竣工し、令和2年夏ごろには別棟のオフィス・商業ビルが竣工予定です。そのII街区の第二スマートエネルギーセンター(第2プラント)を見学しましたので紹介します。
燃料電池を完備
平成26年に竣工した第1プラントは、東京ガスエンジニアリングソリューションズが運用し、都市ガスから熱・電気をつくるガスエンジンコージェンレーションシステム(CGS、370キロワット×2台)と燃料電池CGS(105キロワット)、熱源機が整備されています。
また、公共公益施設「みなとパーク芝浦」の歩行者デッキの屋根には、大規模な太陽熱集熱器が設置され、夏は冷房、冬は暖房の熱源として利用されています。集熱器の脇などには太陽光パネル(68キロワット)が設置されており、太陽光の出力変動はCGSで制御し、系統電力に与える影響を小さくしています。
太陽熱、太陽光などの再生可能エネルギーを積極的に導入し、分散型エネルギーシステムでつくられる熱と電気をオンサイトで効率的に利用する仕組みです。
このほか、未利用エネルギーの活用も行っており、1日3000トン出るという地下トンネル水(湧水)を利用しています。年間を通して温度変化の少ない地下トンネル水の特性を生かし、冬は暖房の熱源、夏は冷凍機の冷却水として利用することで熱の製造効率が上がり、年間30~65%の省エネに貢献します。