経済インサイド

米中貿易戦争で影薄まるAIIB 虎視眈々と勢力拡大中

アジアの膨大なインフラ需要に対して、既存の国際機関だけでは賄い切れていない実情があり、AIIBに融資をしてほしい国は多い。また、巨大な人口を抱える中国とビジネスをしたいと思っている国も多く、両国が抱えるさまざまな障害を取り除く際の条件として、AIIBへの加盟を決めている国もあるのだという。

交渉カードを武器に、AIIBは着々と加盟国を増やし、国際金融機関としての地位を確固たるものにしたいと考えているのだ。しかし、世界で1位と3位の経済大国が加盟していない状況はアンバランスだ。そこで、米国や日本にも加盟を呼び掛けているが、日本政府は加盟へのメリットが乏しいことなどから、現段階での加盟には後ろ向きだ。

そうした中で日本政府が恐れるのが米国の翻意だ。「政治のカードになっていることや、トランプ大統領のキャラクターを考えればあり得る」(政府関係者)のだという。そうなれば、日本は取り残されることになる。さらに、日本企業が得意とする質の高いインフラ整備を世界に呼び掛け、日本の成長に結び付けていこうという日本政府のシナリオにもくるいが生じかねないのだ。

(経済本部 蕎麦谷里志)

会員限定記事会員サービス詳細