浪速風

咳するときは口を覆おう

とある会社の、とある職場。顔を出すなり大きな咳(せき)を、あたりをはばからず口を覆うでもなく、しきりとする人間がいたそうな。ところが新型肺炎が騒がれて以降、ぴたりとやんだそうな。単なる悪癖だったらしい。

▶咳による感染がうんぬんされてやっとその人間は、自分の行為の不作法さ、醜さを意識したのだろう。しないですむなら最初からするなよ。咳が出るならマスクや袖などで口を覆えよ。だれもがあきれているだろう。公衆道徳をわきまえないこの手の人間は残念ながらいる。ほとぼりがさめたらまた飛沫(ひまつ)をまき散らしかねない。再びやっていたら子供に言い聞かせるように注意してやろう。咳が出るときは口を覆おう。

▶「吾輩は人間と同居して彼等(かれら)を観察すればする程、彼等は我儘(わがまま)なものだと断言せざるを得ない様になった」(夏目漱石「吾輩は猫である」)。この猫の飼い主の名前をご存じだろうか。咳ではないが「苦沙弥(くしゃみ)」君というのである。