万博向け感染症対策強化に4千万円 大阪府の当初予算案

 大阪府が2025年大阪・関西万博に向けた感染症対策強化の関連事業費として、令和2年度当初予算案に約4千万円を計上する方針を固めたことが6日、分かった。未知の新型ウイルスによる突発的な集団感染が発生した際に即応専門チームを設置し、府と府内自治体で情報を共有する体制を整えるのが柱。急増が予想される訪日外国人向けに空港や観光スポットでの予防策周知にも注力する。

 府は、感染症の予防意識が府民らに浸透するまで数年かかると見込む。一方で新型コロナウイルスによる肺炎が急速に広がり、組織整備が急務と判断した。

 感染症は新型のウイルスや風疹、結核などを想定。集団感染時に医師や府の専門職員で構成する支援チームを大阪健康安全基盤研究所(大阪市)に設置する。

 支援チームは、府内全18保健所から個別の症状や感染者の行動ルート、接触者の有無などの情報を集約して感染拡大エリアを予想、各保健所を通じて対策を呼びかける。18保健所のうち、独自に保健所を設置する政令市と中核市が計8カ所を占めるため、府との情報格差を防ぐ狙いもある。

 一方、訪日外国人が立ち寄る関西国際空港や大阪城公園などの人気観光エリアに、マスク着用を含む予防策のポスターを掲示するほか、多言語のメッセージで注意を呼びかける電光掲示板を設置して周知を図る。外国人技能実習生の中には結核の予防接種を受けていない人もいるため、受け入れ企業に研修を行い、感染拡大を防ぐ考えだ。

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