制球難に苦しんできた右腕が、復活に向けて第一歩を踏み出した。阪神の藤浪が4日、シート打撃に初登板し、打者5人に対して2安打1四球。球速は球場表示で最速154キロをマークした。2点を失ったが、守備ミスが絡んでの失点もあり「(投球は)ある程度まとまっていた。(ストライク)ゾーンに投げられていたし、やってきたことは出せた。及第点」と納得の表情を見せた。
3年目の2015年に14勝を挙げて以降、成績は下降の一途。昨季はプロ入り後初の未勝利に終わった。今季は結果が出なければ終わりの勝負の年と位置付け、覚悟をもって挑んでいる。
今キャンプは初日にブルペンへ2度入るなど精力的に動く。この日はストライクゾーンから大きく外れる球もなく、まずは順調な滑り出しといえる。だが矢野監督が「ブルペンと同じ感じで投げられたのは収穫」と話すにとどめたように、物足りなさも感じる投球でもあった。
「球速、球威は課題にしていない」と藤浪。それ以前にやるべきことが多いのも事実だ。だが、背番号19に期待されているのは小さくまとまることではない。力強い投球で2桁勝利を挙げられるエース級の活躍だ。(嶋田知加子)