経済インサイド

女性の悩みに向き合う「フェムテック」 じわり浸透

フェムテックの分野には学生も挑む。昭和女子大(同世田谷区)の学生によるプロジェクトチームが開発したのは、小・中学生向けのキャミソール型下着。個人差はあるが、おおむね小学3~6年生に胸が膨らみ始めるが、実はその時期に合うブラジャーはほとんどない。スポーツブラのように胸の部分だけを固定するものもあるが、「着替えなどで自分だけブラジャーをしていると、周囲の目線が気になる」(都内の小学5年生女児)と、ブラジャーを付けることに抵抗感を感じるケースも少なくない。

フェムテックの広がりが実際の売り場にも現れるようになった。大丸梅田店(大阪市北区)5階に元年11月に開設した売り場「ミチカケ」。約900平方メートルの売り場には、女性向けの服飾雑貨とともに、栄養補助食品(サプリメント)や生理用品なども並ぶ。同店は「最初は女性1人で、2回目には友人や恋人と一緒に来店されるケースも多い」(広報)という。

男女雇用機会均等法から30年余り。人手不足などから女性の社会参加が強く求められる一方で、女性は妊娠や出産があるためどうしても男性と同じような働き方ができない。男性も含めた社会全体で女性特有の悩みを理解することが、働き方の改革と少子化問題の解決の一歩となる。

(経済本部 松村信仁)

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