浪速風

ケインズと終電延長

「町に行き、あちこちで宣伝している大売り出しの店に入ってください」。1931年、不況と物価下落に苦しむ英国民に経済学者、ケインズはラジオで訴えた(ケインズ説得論集)。モノが売れれば、生産活動が刺激され雇用も所得も増す。「いま必要なのは…財布の口を緩めて活動的になることです」

▶国土交通省が先日、大阪メトロ御堂筋線で終電を約2時間遅くする実証実験を行った。飲食などの消費を刺激するためだ。2月21日にも同様の実験をする。中国から始まった新型肺炎の感染拡大により外国人観光客が減少するのはほぼ確実で、終電延長への期待は大きい

▶気がかりなのは、働き方改革との兼ね合いだ。人手不足の折、どこかに無理が生じないか。ケインズは、技術の進展により2030年には労働時間が1日3時間、週15時間で済むようになると予想した。道は遠いが、実現に近づけば終電はむしろ早まることになるかもしれない。