東京・世田谷区史サイト 資料無断掲載 研究者不信感あらわ

 昨年10月、区史編纂用に研究者が提供した現在の世田谷区に当たる地域を中世に支配していた吉良氏の系図などが「無断掲載されている」と区議会で取り上げられ、問題が表面化。執筆を依頼した際、サイトへの二次利用など権利関係を十分に定めていなかったことが判明し、区は著作権侵害を認めてサイトを閉鎖するとともに研究者に謝罪した。

 著作権の有無など確認を進め、昨年12月以降、郷土資料館の案内や区のお知らせなど、サイトは徐々に再開しているが、中核となる「世田谷区の歴史」コーナーなど、サイト全体の3割程度は閲覧できない状態が続いている。

 区史編纂委員を務める研究者の一人は「仮にサイトへ掲載されても区側との信頼関係があれば問題視しないが、現在はその段階にない」と不信感をあらわにしており、完全公開への見通しは立っていない。

 区の担当者は「あいまいなやり取りで執筆を依頼してしまっていた。執筆者の理解を得るなど著作権関係をクリアし、なるべく早く区民に見てもらえるようにしたい」と話している。