北方領土付近で相次ぐ日本漁船の連行 「安全操業」の有名無実化懸念

 北海道と北方領土の中間に引いたラインの北方領土側で、日本漁船がロシア側に資源保護の協力金を払い安全に操業できる仕組み。日露双方の「立場と見解」を害さないという原則があり、日本側は臨検や拿捕を認めない立場をとっている。

 だが、違法・違反操業名目で日本漁船が拿捕されるケースはその後も相次いでいる。18年には、貝殻島付近で操業していたカニかご漁船「第31吉進丸」がロシア警備艇に銃撃・拿捕され乗組員1人が死亡する事件も起きた。

 加えて最近、ロシア側は日本漁船への臨検を急増させている。日露外交筋はこうした強硬姿勢について「4島の主権を曖昧にする可能性がある安全操業を警戒しており、(安全操業の)制度を有名無実化しようという意図があるのでは」との見方を示した。

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