軍事やインテリジェンスの世界に「中立化」(ニュートラリゼーション、neutralization)という言葉がある。敵対する人物や組織の活動を止めさせることだ。人に対して用いるときは殺害を意味する。現地時間の3日、米軍がイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官をイラクの首都バグダッドで中立化した。
〈ロイター通信は、イラクのバグダッドの国際空港で3日未明、ソレイマニ氏らが乗った車列が米軍のヘリコプター(後に同通信は無人機と報道)に空爆され、同氏やイラクの民兵組織幹部らが死亡したとしている。米国防総省は声明で、攻撃はトランプ大統領の命令で「外国の米要員を守るための果断かつ防衛的な措置」として実行されたとした。
(中略)国防総省はソレイマニ氏とコッズ部隊が、米民間人1人が死亡した昨年12月27日のイラク北部の基地に対する攻撃を含め、過去数カ月間、イラク国内での多国籍軍の基地への攻撃を首謀したと非難。12月末のバグダッドの米大使館襲撃も同氏が命令したとしている。同省は空爆の狙いを「イランによるさらなる攻撃を抑止するため」とし、今後も「全ての必要な措置を講じていく」と強調した。米国務省はコッズ部隊を「外国テロ組織」に指定している〉(3日の産経ニュース)。