ゴーン会見の日に発売、『週刊新潮』(1月16日迎春増大号)、ワイド型式の「風と共に『ゴーン』10の謎」7ページは絶妙のタイミング。しかも、なかなかの充実ぶりだ。
今回の日本司法をコケにした逃亡劇で不思議だったのは新聞やテレビが、弘中惇一郎、高野隆両弁護士の責任についてほとんど言及しないこと。本人たちによるその点の釈明もない。『新潮』さすがで、「監視を排除!『弘中・高野弁護士』はどう責任を取るのか」。
元東京地検特捜部検事の高井康行弁護士の言。
〈保釈条件がきちんと履行されていたかどうか、検察と裁判所に示す必要もある。国民に対しても、説明できる範囲で、記者会見などで経緯を明らかにしていかなければいけません〉
『新潮』編集部が手厳しく追い打ち。
〈結果だけ見れば、彼らがやったことは高額な報酬をもらってゴーンの海外逃亡をお膳立てしたということに尽きる。辞任の意向というが、それでこの問題から逃げられるのであれば、検察も警察も、そして弁護士も要るまい〉
まさに正論だ。
『週刊文春』(1月16日号)のトップは「安倍『もう疲れた』9・7退陣表明」。
カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業をめぐる汚職、既報の小泉進次郎政治資金疑惑などあれこれ並べて、なんとかパラリンピック閉幕翌日の「9・7退陣」にもっていきたいらしいが、ま、臆測の域を出ていない。
毎度のことながら絶妙のタイミング(総統選は11日)で『ニューズウィーク日本版』(1・14)が「台湾のこれから」10ページの特集。
ミンシン・ペイ氏(クレアモント・マッケンナ大学教授)の分析によると蔡英文総統再選なら、むしろ難しいかじ取りを迫られるのは習近平国家主席の方だという。
〈黙っていれば、国内の批判派から弱腰と見なされ(中略)大規模な軍事演習を実施するなどして台湾に脅しをかければ、ほぼ確実にアメリカの介入を招く〉
(月刊『Hanada』編集長)