レフトから黒須咲良(2年)のスパイクで試合を決めると、八王子実践の選手たちに歓喜と安堵(あんど)の表情が浮かんだ。前回大会と同様、初戦からフルセットにもつれ込む戦いに、貫井直輝監督は「ここまで波が激しくなるとは思わなかった」と苦笑いした。
相手の粘り強いレシーブに、本来のコンビバレーを封じられた。一進一退の攻防の末、勝利が見えたのは第3セット中盤。相手の多彩な攻撃には、サーブを散らすことで対処した。要所要所で川崎鈴奈主将(3年)が強力なスパイクを放ち、黒須、大川愛海の2年生コンビも躍動した。徐々に引き離して競り合いを制し、川崎は「40点くらい。でも、1試合できたのは次につながる」と前向きにとらえた。
春高の常連だが、今回はいつもと心境が異なる。今季のインターハイ出場を逃したためだ。大川は「悔しい思いをしてここまでやってきた。一歩も引かずに勝負を楽しみたい」と今大会に臨んでいる。
2回戦で待ち受けるのは、インターハイ優勝の就実。「ここで勝てば、勢いに乗れる」と川崎。強気な攻撃で大一番を乗り越える。(久保まりな)