仮想通貨のマイニングに誘うマルチ商法、詐欺被害を拡大させた5人の手口

起訴状に含まれたやりとりによると、「それは持続可能じゃない。ポンジスキーム[編註:投資家の資金を運用せず、そのまま別の投資家に配当と称して回す詐欺の一種]だろう。高速に現金化するポンジ……でも、わかった」とバラチは答えている。17年9月のメールでゲッチェは、BitClub Networkが「ここからマイニングの稼ぎを著しく減少させる」と指示したうえで、「RAF[編註:rich as fuck=超リッチ]になってリタイアしてやるぜ!!!」と述べていた。

一部の出資者には「創設者」の立場を付与

また被告人たちは、BitClub Networkは「透明性を確保」し「大きすぎてつぶせない」と宣伝するマーケティング資料を携えて世界を巡り、証券法に違反して会社の株式を売却したとされている(BitClubのウェブサイトは現在、米国またはフィリピンの投資家は投資できないという免責事項を記載している)。被告のひとりは一時、資金でマイニング設備を購入することなくBitClubの株式を売却するのは「正しくない」と深い反省を示したようだ。

被害者とされている人たちの身元は明らかでないが、同社が活用していたオンラインビデオや広告に手がかりがあるだろう。

ペンシルベニア州の地域・経済開発局と関連がある非営利の投資会社Ben Franklin Technology Partnersのウェブサイトに表示されている広告によると、BitClub Networkと称する企業が、4つのマイニングプールとされるものへの出資に合意した人に「創設者」としての立場を与えると宣伝している。「GPU持ち分」という単位あたり1%2C000ドルが実勢価格とされていたが、この単位はマーケティング資料には詳述されていない(Ben Franklin Technology Partnersはコメントの要請には応じていない)。

18年には、Facebookに掲載されていたBitClub Networkの大量の広告が、ザンビアのジャフェット・メサの目にとまっている。彼はMediumに投稿して、これが詐欺の兆候であると解説していた。

いまもはびこる仮想通貨詐欺

徹底した透明性というBitClubの主張にもかかわらず、マイニング設備とされるものの所在は謎のようである。そして同社の背後にいる人々は特定しにくい。「BitClubに関する誇大広告に引き寄せられる人の数には驚きました」と、メサは記している。「これについてソーシャルメディアに投稿する人の数が物語っています。Facebookはその点で際立っています」

なお、マレーシアや南アフリカを含む国々では、BitClub Networkのコミュニティに関連するFacebookページは依然として活動が活発であり、幾万人ものメンバーがいる。

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