大阪万博、IRに最新技術で提案
――2025年大阪・関西万博ではどのような役割を担う計画か
「インフラ面で来場者の誰もが快適に通信を利用できるようにする。ただ、問題はそのうえで何を体験してもらうかだ。万博を運営する日本国際博覧会協会は現在、万博で提示される技術や事業のアイデアを企業から募集しているが、NTTグループの技術力を結集させたものを提案していく。具体的には、膨大な情報を極めて低いエネルギー消費で高速処理できるフォトニクス技術の活用だ。これにより、社会、生活がどのように変化するのか提示していきたい」
――大阪では統合型リゾート施設(IR)の誘致も進められている
「IRの運営事業者が6月に決定する。IRにおいても同様に、NTTグループの最新技術を活用したサービスを提案していく。条件が合えば、IRの運営を担う企業体への出資も検討していきたい」
――現在の大阪・馬場町から京橋に本社を移転すると発表した
「京橋での起工式も終わり、2年後には移転する。グループ各社も集めており、相乗効果を狙う。京橋本社は単にわれわれが働くだけでなく、大阪のデジタル人材を育てる研究施設のような役割を担わせたい。京橋を関西のシリコンバレーのような、情報通信分野のさまざまな人材やベンチャー企業が集まる集積地にしていきたい」
5G元年、日本企業有利の能性
――工場や学校など、限られた場所で第5世代(5G)移動通信システムを展開する「ローカル5G」の免許申請受け付けが昨年12月に始まった。NTT西日本の対応は
「工場やスポーツ施設、農園、公安施設などと導入に向け話をしている。ただ、ローカル5Gに対応する機器が現時点では提供されておらず、われわれの免許申請はまだ少し先になるだろう。ローカル5Gは携帯電話の免許と異なり、サービスを提供する案件ごとに免許を申請する。だから個々の案件をしっかり固め、申請していけばいい」