奈良をハイエンドな観光地に 荒井知事に聞く

BT利用に課題残す

 「今年は(ロンドンの)大英博物館で奈良の仏像を展示したが、そうした仏像を鑑賞されるような人にこそ楽しんでもらえる観光地を目指している」

 大仏だけを見て満足し、県外の宿泊先にとんぼ返りしても奈良を知ったことにはならない。奈良に宿泊して、歴史や文化をじっくり味わってもらえる観光客をより大切にしたい-。それが荒井知事の思いだ。

 県はこのため、奈良公園(奈良市)にある飲食店の充実を促し、トイレ整備などのアメニティ向上を進めてきた。約45億円をかけ、奈良公園BTを建設したのもその一環だ。だが、BTよりも使い勝手が良い春日大社駐車場を利用する観光バスが激増。奈良公園周辺の渋滞緩和に寄与すべく整備されたBTだが、利用は当初の見込みを大きく下回る状況が続いている。

 荒井知事はBTについて「渋滞緩和に一定の効果があった」と評価する。もっとも、観光バスの利用を増やしながら、旧市街地「ならまち」などに観光客を周遊させ、滞在時間を伸ばしてもらうための工夫は十分とは言いがたい。

不比等さんに代わって…

 荒井知事は今月、世界遺産「平城宮跡」の南に広がる積水化学工業奈良事業所跡地の全体(4.9ヘクタール)を県営歴史公園にする方針を明らかにした。

 県は、史跡を横切る近鉄奈良線の線路を大宮通り付近に移設し、朱雀門の南側に「朱雀門前」駅を設置したい考え。その方向性について、来年度にも一定の方針が出される見込みだ。

 来年は平城京の造営に携わった藤原不比等の没後1300年。荒井知事は「『平城宮跡からの線路撤去を俺に代わって決めるのだぞ』と、不比等さんに駆り立てられているような気がしている。来年は平城京の設計に寄り添っていろいろなことをやり、未来の奈良の礎を築く年にしたい」と展望を語った。

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