川崎浮世絵ギャラリー「日本の宝 浮世絵名品展-墨摺絵から錦絵誕生まで-」

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 ■墨一色から多色摺 江戸職人たちの技

 川崎駅北口東に直結するビル内に「川崎浮世絵ギャラリー~斎藤文夫コレクション~」が今月、オープンした。開館記念展は題して「日本の宝 浮世絵名品展-墨摺絵から錦絵誕生まで-」。墨一色に始まり、やがて多くの色が使われ、江戸庶民の娯楽として発展していった浮世絵の変遷過程を、版画と絵師直筆の肉筆画でたどっている。

 ◆「ONE TEAM」

 浮世絵の祖といわれている菱川師宣が手がけた「墨摺絵」を皮切りに、摺(す)りの発達につれ、やがては華麗な「錦絵」の誕生に至るまでの名品が並べられている。

 まずは江戸時代前期、墨一色で摺られた元禄頃(1680年頃)の作品群。続いて、墨摺絵に丹(赤系統)で手彩色した「丹絵」、享保頃(1716年頃)の手彩色で紅色を強調した「紅絵」や、同じく膠(にかわ)を使って艶を出した「漆(うるし)絵」。さらに、筆を使わずに色版で紅、緑、黄など3、4色を重ね摺りした「紅摺絵」。そして、木版画の技術が進み、江戸中期の明和2(1765)年、鈴木春信が色板のトンボ合わせで7、8色を重ねる多色摺版画を確立させた。日本が世界に誇る錦絵だ。

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