お賽銭もキャッシュレス 防犯の利点、仏教界には警戒も

お賽銭もキャッシュレス 防犯の利点、仏教界には警戒も
お賽銭もキャッシュレス 防犯の利点、仏教界には警戒も
その他の写真を見る (1/2枚)

 「キャッシュレス元年」とも呼ばれた令和元年も1週間を切った。その波は宗教界にも広がり、神や仏に奉納する賽銭(さいせん)を、電子マネーで受け付ける寺社も出てきた。小銭を持ち歩かない外国人旅行客への対応や防犯対策で利点があり、利用者の評判も悪くないという。一方、宗教に関する個人情報の流出や課税への可能性を懸念し、「不適切」と訴える声もある。

■「現金にこだわる必要なし」

 四国八十八カ所霊場の一つ「平等寺」(徳島県阿南市)。空海が814年に建立した古刹(こさつ)は、昨年12月からキャッシュレス賽銭を試験的に導入した。

 本堂にあるタブレット端末に任意の金額を入力し、決済アプリを立ち上げたスマートフォンをかざす。これで賽銭が完了する。

 「社会のキャッシュレス化が進む中、寺社も変化する必要があると考えた」と話すのは谷口真梁(しんりょう)住職(40)。一方、導入後1年間で利用者は50~100人程度にとどまり、割合でいえば1%にも満たないという。

 しかし、意義は大きいと考えている。かつて寺社には現金ではなく、米や野菜を供える風習があった。これが貨幣経済の浸透で賽銭へと変化した。谷口住職はこうした過程を踏まえ、「現金にこだわる必要はない」と指摘。「通貨に代わる新たなものがあれば、検討するのは当然だと思う」と力を込める。

■下鴨神社も導入

 東京・港区の愛宕(あたご)神社は、年始の仕事始めの日に限り、キャッシュレス専用の賽銭箱を設けていた。

 賽銭で集まった小銭を金融機関に入金する際に手数料が取られることがあり、「せっかくの浄財が減るのを避けたかった」(担当者)。泥棒対策になることに加え、神社周辺で現金を持たないビジネスマンが増えたことも背景にあるという。

会員限定記事会員サービス詳細