母親を遠距離介護、要介護4から1に 柴田理恵さん 寝たきりから半年で一人暮らし再開(2/2ページ) - 産経ニュース

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母親を遠距離介護、要介護4から1に 柴田理恵さん 寝たきりから半年で一人暮らし再開

 須美子さんが寝たきりになる前に、柴田さんは何度か尋ねたことがあった。「東京に来る?」。すると、問いかけが終わらないうちに須美子さんからは「絶対に嫌」という答えが返ってきた。

 「最後まで聞かないもん。『私にはあんたなんかより友達が大事』って言うんです」。柴田さんは苦笑いする。須美子さんが倒れる前から、遠く離れて住んでいても親子の会話は多かったし、帰省したときはお酒を酌み交わし、日常的に電話もしていた。柴田さんには母親の気持ちがわかっていたからこそ、遠距離介護を選んだのだった。

「一緒に飲みたい」

 須美子さんの治療が順調に進み熱がおさまると、少しずつ意識が戻ってきた。柴田さんはそのタイミングで、須美子さんにリハビリを勧めた。

 「ああ、どうなるんやろか。こんなんなって」。そう言って弱音を吐く須美子さんに、柴田さんは「もうじき正月だよ。あたしと一緒にうちに来て、酒、飲みたいよね」と語りかけた。「うん、飲みたい」と答える須美子さんに、諭すように続けた。「そのためには元気にならんとね」「その次は歩けるようにならんといけんよ」-。

 「期間を決めて、目の前にニンジンをぶらさげました。そうしないと人間、やる気にならないでしょう」

 目標ができた須美子さんは、周囲も驚くほどリハビリに熱心に取り組んだ。しかし、道のりは順調だったわけではない。(26日に続く)

 しばた・りえ 昭和34年、富山県生まれ。明治大学卒業後、劇団東京ヴォードヴィルショーを経て昭和59年6月にWAHAHA本舗を設立。劇団公演のほか、テレビやラジオ、映画などで幅広く活躍。NHKの「週刊こどもニュース」のお母さん役などを務める。来年はWAHAHA本舗全体公演「王と花魁」(5~7月)に出演予定。

 ケアするウェブマガジン「~から」では、柴田理恵さんのエッセー「お母さんとわたしの七転び八起き」が始まりました。