ワンコインで昼食を 高齢者が見守る地域食堂

積極的に声をかけて接客する河野カツ子さん(右から2人目)=東京都大田区の「元気かあさんのミマモリ食堂」(酒巻俊介撮影)
積極的に声をかけて接客する河野カツ子さん(右から2人目)=東京都大田区の「元気かあさんのミマモリ食堂」(酒巻俊介撮影)

 高齢者も一人で気軽に訪れて、手作りの温かい食事をとりながら、おしゃべりを楽しむ-。そんなコミュニティー食堂で調理と接客を担うのは、地元の高齢者ら。同じ地元の高齢者をさりげなく見守る仕事が生きがいになっている。

 ■会話に引き込む接客

 東京都大田区の大森柳本通り商店街にあるコミュニティー食堂「元気かあさんのミマモリ食堂」は毎週金曜、昼時のみの営業で、500円のワンコイン定食を提供する。

 店内で利用客に積極的に声をかけ、会話に引き込むスタッフがいた。接客担当の河野カツ子さん(80)。食堂がオープンした平成27年当初から活動に携わるベテランだ。

 「食事を自分1人分だけ作るのが面倒で訪れる高齢者は少なくありません。来ていただいたのだから、楽しく話してもらおうと心がけています」と河野さん。「初めての方がまた足を運んでくれて、おなじみさんになってくれるのがうれしいです」と目を細める。

 活動に取り組むのは任意団体「おおた高齢者見守りネットワーク」(愛称・みま~も)。同区地域包括支援センター入新井が核となり、地元商店街や介護保険事業者などの協力を得て組織する。調理と接客にあたるのは、みま~もの事業に賛同する住民(サポーター)ら約100人のうち、衛生指導などを受けた60~80代の約20人。今夏からは初めて男性も従事している。

■「働くためには元気で」

 メニューは500円定食1種類で、1日限定20食。この日は、サバとキノコのあんかけハンバーグ、モヤシの彩りナムル、ヒジキのおにぎり、豆腐と油揚げのみそ汁。正午過ぎには完売する盛況だ。レシピは協力団体の保険調剤薬局「薬樹」(神奈川県大和市)の管理栄養士が、1食500キロカロリー台で提案する。

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