息子を北朝鮮当局に事実上、殺された米国人フレッド・ワームビア夫妻による北朝鮮の責任を追及する活動が米国の国政の場で顕著となり、連邦議会での対北制裁の新法案にもその息子の名がつけられた。同夫妻は国際的にも北朝鮮の人権弾圧を糾弾する活動を広げ、日本人拉致についても解決策として積極果敢な提言をしたことが注目される。
米国では12月20日、「オットー・ワームビア北朝鮮核制裁法」ができた。トランプ大統領が同日、署名した「2020年国防権限法」に盛りこまれた新法だった。その趣旨は北朝鮮に非核化だけでなく人権弾圧是正を実行させるための制裁の大幅な強化である。
オットー・ワームビアとは北朝鮮で逮捕され、拘留中の虐待が原因で17年6月に22歳で死んだ米国人青年である。両親の同夫妻は議会での同制裁法案の成立に協力し、公聴会で証言し、北朝鮮を「無法国家」と断じ、金正恩朝鮮労働党委員長を「犯罪者」と非難してきた。