各競技会場の運用も変更を強いられている。
プレスセンターなどが置かれる東京ビッグサイト(東京都江東区)は一部展示棟が既に閉鎖され、食品、車といったさまざまな「見本市」が開けない事態に陥っている。
柔道や空手の会場となる日本武道館(千代田区)も大会に備えた改修などを行い、五輪・パラ終了までは一般の利用が停止されている。
最大1万4千人を収容できる武道館では、コンサートや柔剣道大会のほか、周辺大学の入学、卒業式にも利用されてきた。今年4月には9大学が入学式に利用した。
今年は各大学が変更を余儀なくされ、うち法政大は来春の入学、卒業式を両国国技館(墨田区)での開催に。国技館の最大収容数は1万1千人で、大学側は付添人数を1学生につき1人に制限した。東洋大も来春の入学、卒業式をキャンパスごとに分散して行う。
一方、五輪のマラソンや競歩の開催地に急遽(きゅうきょ)決まった札幌市では、大通公園での夏恒例のビアガーデンの開催可否に注目が集まる。
五輪会場の運営に詳しい「国際メディアサービスシステム研究所」の広谷徹代表は「イベントや展示会は日本の伝統や技術をPRする重要な機会。外国人が多く来日する五輪期間中に開催できないのは大きな痛手だろう」と話している。
(大渡美咲)