対韓輸出管理厳格化、一部見直し 半導体材料の「レジスト」

 経済産業省は20日、半導体材料に関する韓国向けの輸出管理の厳格化について、一部を見直したことを明らかにした。輸出に個別許可申請を求めることには変わりないが、基板に塗る感光剤「レジスト」について、日韓の特定の企業2社の取引に限り、同日付で許可を与える期間をこれまでの原則半年間から、最大3年間に延長した。

 7月以降、経産省は安全保障上の観点から、レジストなどの対韓輸出には個別許可申請を求め、民生用と確認できたものは輸出を許可していた。その後、日韓の特定の企業2社間のレジストの輸出入実績が6件に達し、適切に輸出管理されていると判断した。輸出する日本企業は事務手続きが緩和される。

 日本は7月4日、軍事転用の恐れのあるレジストのほか、半導体の洗浄に使う「フッ化水素」、有機ELディスプレーに用いる「フッ化ポリイミド」の3品目について、韓国側の貿易管理体制の不備などを理由に輸出手続きを厳格化した。経産省の幹部は同日、「韓国側の体制に脆弱(ぜいじゃく)性があることに変わりはない」と述べ、輸出管理の厳格化を継続する考えを示した。

 一方、経産省が韓国向け輸出管理の厳格化を一部見直したことについて、韓国大統領府の関係者は20日、「日本政府が自発的にとった措置であり、一部進展だとみることができるが、輸出規制問題に対する根本的な解決法としては十分ではない」とコメントした。

 (飯田耕司、ソウル 名村隆寛)

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