西日本シティ銀本店ビル建て替え 商業施設やオフィス入居、博多駅前再開発の起爆剤に - 産経ニュース

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西日本シティ銀本店ビル建て替え 商業施設やオフィス入居、博多駅前再開発の起爆剤に

建て替え計画が発表された西日本シティ銀行本店ビル
建て替え計画が発表された西日本シティ銀行本店ビル

 西日本シティ銀行は19日、福岡市博多区のJR博多駅前にある本店ビルの再開発計画を発表した。老朽化した現在のビルを取り壊し、商業施設やオフィスも備えた大型複合ビルとして再生する。来年6月ごろから解体を始め、令和7年2月ごろの完成を目指す。新ビル完成後は、同じく老朽化した本店別館ビルと隣接する事務本部ビルの建て替えにも着手する。同市が博多駅周辺で進める再開発事業「博多コネクティッド」の起爆剤として、さらなるにぎわいの創出を目指す。(九州総局 小沢慶太)

 博多駅博多口の一等地に位置する本店ビルは、昭和46年に完成した。敷地面積は5226平方メートルで地上12階、地下2階建て。現在は本店営業部やグループ会社が入居している。「建築界のノーベル賞」と呼ばれる米・プリツカー賞を受賞した大分市出身の建築家、磯崎新氏の設計で、外装にインド砂石を使った重厚感のある建物になっている。

 一方で、老朽化が進んでいることから、本店ビルの建て替えは長年の経営課題だった。しかし、福岡市が今年5月、博多駅周辺で容積率を緩和し、海外のトップ企業が入居するようなビルへの建て替えを促す「博多コネクティッド」をぶち上げたことで、建て替えに踏み切った。

 再開発は地元デベロッパーの福岡地所と共同で取り組む。事業主体となる特定目的会社(SPC)と、実務を担う運営・管理会社を設立して事業を進める。

 新ビルは地上13階、地下2階程度を想定。延べ床面積は現在の約2万6千平方メートルから2倍以上となる構想だ。銀行は2~9、10階に入居する計画で、現在は本店ビル、本店別館、事務本部ビルの3カ所に分散している本店・本部機能を集約する。

 1階と地下1階には商業施設を誘致し、街の活性化を目指す。地下は4年度に市営地下鉄七隈線が博多駅まで延伸されることに伴い博多駅ビルと直結するため回遊性が高まる。上層階にはオフィスゾーンを構える。オフィス部分はSPCが所有し、企業に貸し出す。

 防災機能も充実させ、大規模地震などが発生した際の一次滞在施設や食料品の備蓄倉庫も整備する考えだ。ビル全体として先進的な環境技術を採用し、環境負荷の低減も図る。磯崎氏がデザインした外装の一部は移設や保存を検討する。

 本店ビル再開発の事業費は300億~350億円程度を見込む。谷川浩道頭取は19日の記者会見で「おおむね10年くらいの一大プロジェクトだ。未来の福岡の成長のため成し遂げていきたい」と語った。

 福岡市内では博多駅周辺のほか、天神地区でも市の再開発事業「天神ビッグバン」が進んでいる。その中核事業の一つで、同じく福岡地所が手掛けるオフィスビル「天神ビジネスセンター」(仮称)と比べても西日本シティ銀の再開発は全体の敷地面積が約3倍に上り、インパクトが大きい。

 会見に同席した福岡市の高島宗一郎市長も「いよいよ象徴的なプロジェクトが動き出す。九州を牽引(けんいん)する活力の中心となることを期待している」と語った。

 本店別館ビルと事務本部ビルの建て替えは本店ビル完成後の7年5月ごろに着手し、10年9月ごろの完成を目指す。商業施設やホテル、オフィスが入る複合ビルとする予定で、具体的な計画は今後検討する。