外交官は無敵なのか 訴追免除…不正後絶たず

 殺人など重大事件への関与が疑われる場合、領事の個人宅であれば捜査当局は手続きを踏んだ上で立ち入ることはできる。ただ、外務省の担当者は「執行されたケースは聞いたことがない」と説明する。

 兵庫県警が今回摘発したような不正競争防止法違反事件で、収賄側に対する裏付けが求められるような局面では、日本の警察当局が外務省などを通じて相手国側に捜査協力を要請することもルール上は可能だ。しかし、国内で犯罪とされる事件が相手国も法令で犯罪と定めていることが大前提とされる。捜査関係者は「捜査協力を要請できるケースはまれ」とした上で、仮に相手国が捜査協力に応じたとしても「日本は捜査を緻密に行うため、各国に同じレベルを求めるのは難しい」と話す。

 それでも今回、ベトナム人ブローカーを摘発した意義はあった、と兵庫県警幹部は強調する。「賄賂を渡したとされるブローカーを立件すれば、日本の公判で収賄側の役割が明らかになる。今後の領事の入国を阻止することができるようになり、ベトナム側で独自に領事の責任を追及する可能性も出てくる」

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