令和3年9月末までの安倍首相の自民党総裁任期は2年を切った。現在の衆院議員の任期満了も同年10月だ。任期満了から1年を切れば、政権に「追い込まれ感」が出て求心力が弱まるとの指摘があることを考えると、来年中のいずれかで解散があるという見立てに異論は少ない。
では、いつか。
今月4日に東京都内のホテルで開かれた自民党各派の事務総長会議では、解散の時期が話題になったという。出席した竹下派(平成研究会)の山口泰明事務総長は「個人的には(来年夏の)東京五輪後だと思う」と記者団に語った。五輪を成功に導き、国内が昂揚した雰囲気のまま選挙になだれ込むとの見方だ。
一方、年明けの早い段階での解散を予測する声もある。政府は今月5日の臨時閣議で事業規模26兆円程度の経済対策を決めた。経済対策の策定は平成28年8月以来約3年ぶりで、事業規模も突出して大きい。
来年は、今年10月の消費税率10%への引き上げの影響が景気に及び始め、経済指標が好転しにくいという事情もある。来年1月に召集予定の通常国会の冒頭で令和元年度補正予算案を成立させた後、経済指標が大きく悪化する前に解散に踏み切るという見方もくすぶる。
(政治部 大橋拓史)