ホテル日航福岡開業30年「客の客をもてなす」 スイートを初の改装、外国賓客誘致に自信

リニューアルしたホテル日航福岡のスイートルーム=福岡市博多区
リニューアルしたホテル日航福岡のスイートルーム=福岡市博多区

 ホテル日航福岡(福岡市博多区)が、平成元年7月の開業から30年で初めてスイートルームを改装した。開業時の「趣」をできるだけ残したまま現代風に装いを新たにした。インバウンド(訪日外国人客)の増加に伴い、高級ホテル間の競争も激しくなる中、国内外の賓客をもてなして磨いてきた強みを武器に、勝ち残りを目指す。(九州総局 中村雅和)

 同ホテルは宿泊特化型ではなく、レストランやルームサービスなどを完備したフルサービスホテルだ。360室ある客室中、スイートルームは簡易キッチンなども備えた「インペリアルスイート」(客室面積165平方メートル)をはじめ、6タイプ7室を備え、一泊13万~50万円のプランを用意している。今回の改装では、7室すべてでベッドの入れ替えなど内装を刷新した。

 スイートルームの主な顧客は市内で開かれる国際会議に参加する各国首脳に加え、在福企業が招いた取引先企業幹部らだ。近年は、タイやベトナムなど東南アジア圏からの宿泊客が多いという。

 招く側からすれば、滞在中に心地よく過ごしてもらうことが、会議や商談の成否を左右する。同ホテル副総支配人兼宿泊部長の篠崎輝章氏は「ご利用いただくケースの多くは『お客様のお客様へのおもてなし』です。われわれのようなフルサービスホテルでなければニーズを満たすことは難しい」と語る。市内で滞在型ホテルは増えているが、客層の違いから大きな脅威とは考えていないという。

 ただ、福岡市は国際会議の開催数で平成28年までは8年連続で東京に次ぐ2位、29年も4位と全国上位の常連だ。今後ウオーターフロント地区の再開発によって国際会議場を整備、拡充して誘致数を増やそうと狙う。

 そんな中、旧大名小の再開発では「ザ・リッツ・カールトン」の開業が決まるなど国内外要人の来福が増加し、スイートルームの需要も高まることを見越した投資も進む。

 それでも、篠崎氏は今回の改装について「他ホテルの動向は一切気にしなかった」と明かす。海外の要人や企業幹部の多くは、日系ホテルを利用しない場合、アジア圏であれば中国系資本、ヨーロッパ圏は欧州系資本のホテルを好むといった傾向があるといわれる。ザ・リッツ・カールトンは米国系で「日航ホテルと競合するとは考えていない」という。

 篠崎氏は「福岡空港からの空路はアジア圏が中心で、欧米路線はほとんど無い。そこに変化がなければ訪日客層はガラッと変わらない。われわれがこれまで築いてきたブランドを強くしていくだけだ」と説明している。

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