浪速風

ぜんぶ軽減税率?

「公平・中立・簡素」が税制の大原則だ。しかし、理想にとどまっていて、うっかり何かを申請し忘れると、余分に税金を払って公平性の埒外(らちがい)に置かれてしまうこともある

▶与党の税制調査会(税調)が、来年の税制改正に向け議論を本格化させている。お題は、困っている人の負担を軽くする措置や経済成長を促す税制、不公平が目立つようになった古い制度の手直しなど。税調では圧力と思惑が交錯する。あちらを立てればこちらが立たず、といった場面では裏方の官僚が知恵を絞ってつじつまを合わせ、政治家が決断してきた

▶消費税の軽減税率とポイント還元も知恵の結晶だ。ある財務省OBによると「時の政権が困ったときに『全部、軽減税率だ』とやれば景気対策になる」利点もあるのだという。だが、簡素な税ではなくなった。今年の議論でも、あらゆる事態に備えることは大切だけれど、やはり原則は忘れないでいてほしい。