岡山「正論」友の会の講演会が11日、岡山市の岡山プラザホテルで行われ、落語家の桂春蝶さんが、トルコ軍艦の乗組員を日本人が救助した史実を基にした創作落語「約束の海-エルトゥールル号物語」を披露した。
軍艦エルトゥールル号は1890年(明治23年)和歌山沖で座礁。浜に流れ着いたトルコ人69人を、住民は乏しい食料をなげうって助け、のちにイラン・イラク戦争(1980~88年)ではテヘランに残された日本人をトルコ航空が救助している。春蝶さんは灯台守の少年や子孫を語り部に、軽妙な語りを織り交ぜながら、人々の葛藤と決断を迫真の演技で披露した。
創作落語は「人々が今、生きていることが良かったと思えるように」との思いから「命の落語」と題したといい、春蝶さんはエルトゥールル号の出来事は「日本人が絶対に忘れてはならないこと」と力を込めた。