ノーベル賞’19

「最高の1日だった」吉野さんが一夜明け会見

 ノーベル賞の授賞式から一夜明け、笑顔で記者会見する旭化成の吉野彰名誉フェロー=11日、ストックホルム(共同)
 ノーベル賞の授賞式から一夜明け、笑顔で記者会見する旭化成の吉野彰名誉フェロー=11日、ストックホルム(共同)

 【ストックホルム=桑村大】ノーベル賞授賞式から一夜明けた11日午前(日本時間同日夜)、化学賞を受賞した吉野彰・旭化成名誉フェロー(71)はストックホルム市内のホテルで「最高の一日だった」と喜びを語った。

 朝から忙しい一日を過ごした昨日とは一転、リラックスした様子の吉野さん。未明に滞在先のホテルに戻った後もホテル内で同僚と祝杯を挙げたと明かした。

 リチウムイオン電池がノーベル賞を受賞したことについて、「研究が一つの目標点に達したことがメダルの重みから感じられた」と吉野さん。受賞の瞬間は「リチウムイオン電池が持続可能な社会の実現に貢献しなければならないという責務を課せられたと感じた」と振り返った。

 また、連れ添った家族については「研究開発でほとんど家庭を顧みなかったので、今回の受賞がその罪滅ぼしになれば。感謝の意を表したい」と語った。

 5日に現地入りし、一連のノーベル賞行事をこなした吉野さんは、11日夕はスウェーデン王室主催の晩(ばん)餐(さん)会に出席。12日は授賞式後にいったん返却したメダルと賞状を受け取るためにノーベル財団を訪問し、14日に帰国する予定。

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