歴史シアター

行基、弾圧から国家支援 師の寺院を改修した山崎院跡

ちなみに、山崎院跡からはブロック状の銅地金6個が見つかっている。成分検査の結果、大仏鋳造に使われた銅地金と同じだったことが分かっている。大仏造立に尽力した行基が造営した山崎院。大仏完成後に、余ったものを褒賞として下賜(かし)されたのかもしれない。(編集委員・上坂徹)

●=土へんに專

三蔵法師に学ぶ

【プロフィル】道昭(どうしょう)

舒明元(629)年、河内国丹比郡(たじひのこおり)(大阪府中部)に生まれ、父は渡来系氏族の船連恵釈(えさか)。白雉4(653)年、遣唐使とともに学問僧として入唐。伝奇小説「西遊記」の三蔵法師のモデルだった玄奘(げんじょう)三蔵に師事し、経典や戒律、禅などを学んだ。仏舎利(釈迦の骨)や多くの経論を携えて、斉明7(661)年に帰国。法相宗をはじめとする多くの教学を伝えた。その一方、各地を回って、架橋や井戸の開発、港湾建設などの社会事業を展開した。文武2(698)年に大僧都(だいそうず)に任じられた。同4(700)年に没した。遺命により火葬されたが、これがわが国初の火葬とされる。

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