浪速風

年賀状は悩ましいが懐かしい

年賀はがきの販売が開始となり、京都中央郵便局で年賀はがきを手に周知活動を行う京都花街・宮川町の舞妓ら=11月1日午前、京都市下京区の京都中央郵便局(永田直也撮影)
年賀はがきの販売が開始となり、京都中央郵便局で年賀はがきを手に周知活動を行う京都花街・宮川町の舞妓ら=11月1日午前、京都市下京区の京都中央郵便局(永田直也撮影)

作家の北杜夫(もりお)は若いころ、儀礼めいていて嫌いだからと年賀状を出さずにいたそうである。しかし正月に賀状は届く。昔の先生からも来る。返事を書かないとまずいが、先生からもらった後に出すのは失礼だ。そこで返事が必要と思われる人には「喪中欠礼」と書き送った…。

▶3、4年続けたという。さすがに「罪深さを覚え」てやめ、年賀状は印刷することにした。人気作家だったからそれでも大変だっただろう。けれども賀状のやりとりについては北も、「古い友人からくる賀状は楽しいものである」と書いている(「正月の苦しさ」)。

▶「欠礼」のような手段を使ったことはないが、小欄も年賀状書きはつい先送りにしがち。毎年はがきでいただく方にはちゃんと出したいと思いつつ、まだ手つかずだ。歳末気分が高まるにつれてあせりも募る。悩ましいが年賀状は懐かしい正月の風景でもある。週末。また先送り…などということのないよう自戒する。