25歳の誕生日に羽生は「ベストを尽くして笑顔で終われればいい」。フィニッシュポーズを決められないくらいに消耗し、しばらくうずくまる舞だった。ジャンプ担当のブリアン氏が前日から合流しコーチ不在の状況が解消。SPでついた12・95点差をはね返すため、5度挑んだ4回転ジャンプを全て着氷した。
冒頭で4回転ループ、約2年ぶりに組み込んだ高難度の4回転ルッツを成功させ勢いに乗った。しかし、疲れが出てきた最後に予定した2連続のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が単発の1回転半となり悔しそうな表情を浮かべた。
昨季からのルール改正後初めて五つの4回転を入れた。「(大会前から)もともとやるつもりだった」とブリアン氏が打ち明けたように、5種類の4回転を跳べるチェンに勝つため、得点を計算し尽くした構成だった。「理想の形ではないけど今できることはやりきった」と五輪王者の意地は見せた。(共同)